近日公開:「Portrait de la jeune fille en feu / 燃ゆる女の肖像」
前評判、実際の評判、セザール賞でのアレコレなどで気になった一本、「Portrate of a Lady on Fire (原題:Portrait de la jeune fille en feu)」の英語字幕DVDを入手して鑑賞しました。
澄ました(ように見える)貴婦人のドレスの裾が盛大に燃えたこのカット。これだけを見た時点では、なぜどのようにこうなったのかを解くミステリー映画かと思ってました。※違います。
ネタバレは日本語Wikiでガーーーーッチリしてあったので回避して概要をさらっと。
(日本公開決まってるのにいいのかな??つかラストの解釈が違うんだよなぁ...)
主演のノエミ・メルランとアデル・エネルいずれも長身で凛々しいお顔立ち。大変タイプです。めぐりあった女ふたりが予め限られた時間と空間でお互いの抑圧や過去や未来について知り、気持ちを交わし合います。
18世紀、電気のないブルターニュの孤島の古城が主たる舞台です。季節は春なのか、秋なのか、少なくとも盛夏ではない鈍色の曇天は土地柄なのでしょうか。海もグレーをしていて水温は低そう。
昼は窓からの薄い陽射し、夜は蝋燭や焚火だけが灯り。深い陰影の中で物語が進みます。どのカットもまさに絵画、印象派的な美しさ。
ワタシの感想は「感想を言うのがとても難しい映画」です。
美しい映像には引き込まれたし、侍女や家族を含め圧倒的女だらけの映画であり、その主題は汲んだつもり。
でも感想として何かを述べようとすると詰まってしまうのは、英語字幕等の要因で自分の理解が浅く受け止めていない何かがあるのか、ずうずうしくも勝手に自分が求めていたもののうちの何かひとつでも映画に足りないか、のどちらかなんだろうな、と思っております。
そんなところに、日本の配給さんのTwitterでこのインタビューが紹介されていました。
これを読んで感想が難しいと思った理由が少しだけ分かった気がしました。
それは監督の視線が個人的過ぎて、自分(鑑賞者)の共感を求めていないのかも、ということ。
製作者が(無意識に)共感を期待していなくても、震えるほど共感できる鑑賞者は確実にいるはずで、それ故の高評価であり、そんな方にはワタシのこのへなちょこな感想以前の記事は馬鹿にされてしかるべきかも。先に謝っておきますごめんなさい。
でも公開されたら必ずスクリーンで観ます。あの風景に包まれたい。