Not Yet ~あの映画の公開はいつですか?~

主に国内未公開&未発売の映画の話など

「Weekend」出逢いは偶然、別れは必然

このエントリはジャン=リュック・ゴダール監督作ではなく、2012年に第21回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で日本初上映されたアンドリュー・ハイ監督による同名作品に関してです。

「God's Own Country」に関することをSNSで語っていた時にお勧めされたので、UK PAL DVDを輸入しました。本作はUS版もありますが、そちらはどうやら英語字幕が無さそうなので、ご興味持たれたら必要に応じ、且つ再生形式にご注意を。UK PAL再生にはリージョンフリー機を使うか、PCで観る(適応しないケース有)必要があります。

R18です!(またか)

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あらすじはシンプルです。タイトルの通り、ある週末の、ある男ふたりの金曜夜の出逢いから、予め決まってしまっていた日曜日のお別れまでのお話です。それが時系列でドキュメンタリーのように自然に、ほぼ主人公ラスの視点に沿って描かれ、少し出てくるそれぞれの過去の話題も回想シーンなどは挟まれません。見知らぬ者同士がお互いのことをセックスと会話で少しずつ理解してゆくのを、鑑賞者もまるで同じ部屋にいるように同時に体験します。

 

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=====以下ちょっとだけネタバレなあらすじ(というか場面展開)

金曜の夜。

ホームパーティーに招かれるラス(ラッセル)。適当なことを言ってそこを離れると、彼は帰路から逸れてゲイクラブへ向かう。一夜の相手を探す彼の眼を捕えるひとりの男性。でも彼には連れがいるし、トイレまで追いかけてもふたりきりにはなれない。

土曜の朝。

下着姿で寝起きのラスはコーヒーを2杯淹れている。ベッドルームには昨夜視線を送っていたあの彼、グレン。グレンは他愛の無い会話を楽しんだのちにラスのアパートから帰って行く。玄関前でお互いの携帯を交換して番号を残したけれど、お互いに特別な期待はないように振舞う。しかし帰ったはずのグレンは舞い戻ってラスに言う。

「僕は日曜にアメリカに経つ。2年は戻らない」

落胆するラス。

土曜の昼。

ラスの仕事はプールの監視員。仕事終わりにグレンが連絡して来る。職場まで来てくれた彼と、また部屋で一緒に過ごす。

土曜の夜。

グレンは仕事の仲間との送別パーティーにラスを招く。少し躊躇するけれど、ラスはそこに向かう。一緒に帰り、また夜を共に過ごすふたり。

日曜の朝。

名残惜しさを隠してふたりは別れる。グレンは見送りを断り、ラスも深追いせずに元々の予定に出かける。

日曜の夕方。

駅のホームにはラスとグレン。

=====

この場面展開に、ふたりの会話が添えられます。始めは(そこから始めているので)セックスの話題から。何故お互いでこうしているのかを、してから真面目に話してますが、この時グレンは昨夜ラスに”追いかけられた方”なので、ちょっと上からというか意地悪なことを言ったりします。ラスは優しく穏やかな性格らしく、拗ねる代わりに分かりやすくしゅ~んとしてしまう。

でもどうやらグレンには心を残さずアメリカに旅立ちたいという思惑があったことがすぐに分かります。いろいろ言う割に、自分からまた会いに来るし、またお泊り。

ふたりの会話がセックスの話題から、それぞれの幼少期や内面に向けて深まるにつれ、心が通じ合うような瞬間をお互いに感じる。それでもあっという間に来てしまう覆せないし、覆さない別れの時。

 

・・・「別れ」というと関係の終わりみたいですが、このふたりは未だ出逢って3日。関係は終わらないで続いてゆくというのがワタシのラストの解釈です。

ひとつの邂逅がふたりにもたらす化学変化。

ラスはグレンにわかりやすく恋している。グレンは少し淡々と、それに乗らないようにしていたけれど、本当はかなりラスを気に入ってしまった、何かを感じてしまったのだと思えたのです。穏やかで優しく、ゲイだと(あまり)知られたくはなくつましく暮らすラスのアパートは、旅立つ前に身辺整理をしたであろうグレンには、思いがけず居心地の良い場所だったのでは?より別れがたいのはグレンだったからこそ、見送りを断り、直ぐに忘れよう、ラスにも忘れてもらおうとあがいていたような。

 

距離は遠く離れてしまい、ふたりを出逢わせたきっかけのセックスは簡単には出来ないし、相手の体温も感じられなくなるけれど、友達から始めなかったふたりが改めて友達になっても良いし、恋人だと思い合っても良いし。ふたりの関係はあくまで始まったばかり。

あれきり連絡をしなくても、もう会わなくても、それでも良いし。

もし少しでも相手を思い出したら、あんな週末があったことを思い出せたなら、それはたぶんひとつのハッピーエンド。

 

 

会話劇なので、ところどころは字幕でも追いつかず。んーまだまだだなぁ。

 

全体的に優しいトーンで進む映画です。でもゲイであるラスが、電車の中の他人や職場の同僚から、同性愛嫌悪的なジョークや、異性愛者前提の下ネタを聞かされているシーンがとても辛い。彼が当事者であることに気付いていないからだろうけど、電車の中のクソガキはわざとかもしれないし、同僚も少しラスを試しているのかもしれない。

 

(以下R18下ネタ)

わざわざそこツッコミますけど、作中の「クソみたいにくだらない男がしている女との行為の話題」が毎回「指を(何本)突っ込んだ」系ネタできっちり陳腐なので、もう笑うしかなかった。うまいなぁ。そう、それ女は全然悦んでないし、(こいつ下手だなぁ)と思われてるからね?