Not Yet ~あの映画の公開はいつですか?~

主に国内未公開&未発売の映画の話など

Ammonite(邦題「アンモナイトの目覚め」)その向こうにはひとりでは行けない

Ammonite (2020) - IMDb「ゴッズ・オウン・カントリー」の茨の道とは違い、早々に公開は決まっていましたが、ほんの一言ではあるものの余計に付け加えられた邦題とか謎改編ポスターなどに何十回目かのうんざりとがっかりを覚え、やっぱり待ちきれなくて取り寄せました、フランシス・リー監督の第二作「Ammonite」。

Amazon UKからの輸入事情は引き続きhigh priority配送一択で送料が高額な上に配送状況も芳しくないように見えたので今回はAmazon comに注文しました。手持ちのデッキの再生条件からBlu-rayです。本体22.99USD+送料10.48USD、3/5に注文、3/17にECMS☞日本郵便に引き継がれて無事受領。

 

既にマスコミ向け試写や、オンライン試写が始まっていますので、一応ネタバレはしないように「ゴッズ・オウン・カントリー」を観過ぎた者として感想、感じたことを中心にちょっとだけ書いておきます。

 

今回の主人公は女性。もう何度観たのかも思い出せない「ゴッズ・オウン・カントリー」のあの色調、あの湿度、あの静謐さがそのまま舞台を19世紀の海辺に変えて蘇ります。早春のヨークシャーの丘に吹いた冷たい風は海風に変わり、波を立て、化石が眠る断崖に飛沫を上げ、孤独な主人公が踏みしめるのは草から波に洗われた丸い小石だらけの浜に変わります。このふたつの風景はいずれも厳しい環境で、地域性も大きく違うはずなのに、ひとつのフランシスの視点というフィルターを経ると、行ったことも無いのに何故か沁みるように懐かしくさえありました。

もちろんこの二作で描かれる主人公の生活はあくまで厳しく、地味で質素で抑圧されたものであることについて表現の甘さは一切なく、辛いほど十二分に伝わってくるのですが、とにかく画があの画であり、共通するモチーフがそこかしこに散りばめられているのです。例えるなら何だろう...?引越しても自分の部屋はあくまで自分の快適な空間で、やっぱり落ちつくなぁ...みたいな安堵感でしょうか。

この安堵感に似た感覚は「ゴッズ・オウン・カントリー」でワタシの中に培われたフランシスへの絶対的な信頼に基づくものだろうと容易に自己分析出来ます。要するに、ワタシは決定的にこの人の作風、この人の視点が好きなのです。

 

前作との違いこそネタバレなので自粛しますが、フランシスのたまらなく溢れてしまうロマンティストぶりと、相反するのではなくあくまでその表裏に在り続ける「人間は孤独な生き物」とか「愛だけでは生きていけない」とかそういう現実主義には共感しかありません。

だからこそ必ず出てくる、酔ってしまうほどに生々しく力強い性表現と、作中の当事者とひいては鑑賞者にまで突きつけられ問われる、性愛や情熱のその”向こう”へふたりで進めるのか、というもどかしく痛みを伴うあまりにも現実的で重い課題。

それを主人公たちはどうするのか、どうしたのか。

 

メアリー・アニングは実在の人物ですが、性的自認などの設定を含め史実を忠実に再現したドラマではありません。それでも彼女がいなかったことにされてきた歴史を思えば、この名前が立ち上がることには意味があると思ってます。

※この脚色の問題はメアリーの出生地からのクレームがフランシスの誠実さで一応終息したように見える一連の記事があったはずなので、また確認して貼り付けます

 

フランシスの私生活の変化に関して気付いてしまった上で本作を観たので、ヒリヒリとした痛みを端々に感じてしまいましたが、これは穿った感想かな...あと女 x 女の性愛描写が上手くて正直驚きました。

 

【おまけ】

今作とあの映画を比べる向きがあまりに多くて辟易しているんですが、そもそもテーマが違うと思った次第。

 

 

 

「Mapplethorpe: Look at the Pictures」

 

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ドキュメンタリー映画のDVDを輸入しました。

写真家ロバート・メープルソープの大回顧展に合わせて作られたものです。今後日本で彼の展覧会があれば観られるかもしれませんが、無修正無編集でなければ何の意味も無いと思うので、少しでもこの名前にご興味あれば是非。

 

彼の写真が好きなのでかなりいろいろ知ってるつもりでしたが、全くそんなことはなく、何より驚いたのは彼の元恋人を含む近い関係者がほとんど健在で、社会的に成功した現役の芸術関係者だと伺わせる近況と健康的な生活が垣間見れたこと。エイズはロバートは連れ去ったけれど、NYカルチャーシーンの何もかもを失ったわけではなく、また彼の影響はそこかしこに残っていて、礎を築いただけの過去の遺物ではなく今のNYの一部であること。

作品も大量に紹介されます。物議を醸した、というか彼が物議を呼ぶために世に送り出した数々の作品の圧倒的な美しさ、唯一無二の力強さは映像というフィルタ越しにも伝わり、本当にしみじみと不世出の人だと。

破天荒で挑戦的なクリエイターとしての半面、身近な人に見せていた顔、特に弟さんに(そんな無茶な...(^^;)という勝手なことを言いだしたかと思えば、いよいよ死期が近づいてきた時の撮影では弟さんに頼ったりする人間味がとても良かった。弟のエドワードさんはよく似ていて、こちらもとてもハンサム。ロバートが存命ならこんな感じに歳を取ったのかな?もっと鋭い雰囲気かな?なんて思ってしまった。

これはポラロイドですが、先に弟さんをモデルに同じ構図で撮ったものが紹介されます。杖の髑髏にピントを合わせるためのテスト撮影ですね。

Gillian Wearing: The Art of Everyday Illumination – Border Crossings  Magazine

編集がいろいろ気が利いていて、奇才であるかのようにはせず、夭逝したことも感傷的過ぎる方に寄ることなく、学術的分析にも寄らずバランスが良いのです。死語直ぐの回顧展が猥褻だと会場によっては縮小や中止に追い込まれて、自称良識人みたいなおばあ様が「こんなもの!」と詰った後にサザビーズでは当時の最高額でオリジナルプリントが落札されたというエピソードが続いたり、回顧録の作家さんの女性の喋りがpで始まる単語連発でもあくまで真面目に清々しいほどあっけらかんとしてたり。

 

全編大充実ですが、一番おおっ、と思ったのはロバートはパティ・スミスチェルシーホテルに越したあたりで顔つきがグッとより凛々しく、挑戦的になったところでしょうか。もう天下を獲る準備は出来たとばかりに。

 

引き続きUKからの送料は手段如何に拠らずお高くて他のDVD2枚と併せて44.51GBPでした。まぁそれでも送料込み2000円程度、dispatchから約1週間で届きましたが、ECMSから日本郵政に引き継がれる仕組みで届き、UKを出る時点の宛先シールにはDVDとしか書いていないのに日本でECMSが通関引き受けした時点で日本語宛先のシールが貼られて??あるいは予め出荷時に表裏に貼ったのか、そこのはDVDのタイトルがバッチリ書かれていて(や、やめて...)と思いました。

近日公開:「Portrait de la jeune fille en feu / 燃ゆる女の肖像」

前評判、実際の評判、セザール賞でのアレコレなどで気になった一本、「Portrate of  a Lady on Fire (原題:Portrait de la jeune fille en feu)」の英語字幕DVDを入手して鑑賞しました。

 

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澄ました(ように見える)貴婦人のドレスの裾が盛大に燃えたこのカット。これだけを見た時点では、なぜどのようにこうなったのかを解くミステリー映画かと思ってました。※違います。

ネタバレは日本語Wikiでガーーーーッチリしてあったので回避して概要をさらっと。

(日本公開決まってるのにいいのかな??つかラストの解釈が違うんだよなぁ...)

主演のノエミ・メルランとアデル・エネルいずれも長身で凛々しいお顔立ち。大変タイプです。めぐりあった女ふたりが予め限られた時間と空間でお互いの抑圧や過去や未来について知り、気持ちを交わし合います。

18世紀、電気のないブルターニュの孤島の古城が主たる舞台です。季節は春なのか、秋なのか、少なくとも盛夏ではない鈍色の曇天は土地柄なのでしょうか。海もグレーをしていて水温は低そう。

昼は窓からの薄い陽射し、夜は蝋燭や焚火だけが灯り。深い陰影の中で物語が進みます。どのカットもまさに絵画、印象派的な美しさ。

 

ワタシの感想は「感想を言うのがとても難しい映画」です。

美しい映像には引き込まれたし、侍女や家族を含め圧倒的女だらけの映画であり、その主題は汲んだつもり。

でも感想として何かを述べようとすると詰まってしまうのは、英語字幕等の要因で自分の理解が浅く受け止めていない何かがあるのか、ずうずうしくも勝手に自分が求めていたもののうちの何かひとつでも映画に足りないか、のどちらかなんだろうな、と思っております。

そんなところに、日本の配給さんのTwitterでこのインタビューが紹介されていました。

www.afpbb.com

これを読んで感想が難しいと思った理由が少しだけ分かった気がしました。

それは監督の視線が個人的過ぎて、自分(鑑賞者)の共感を求めていないのかも、ということ。

製作者が(無意識に)共感を期待していなくても、震えるほど共感できる鑑賞者は確実にいるはずで、それ故の高評価であり、そんな方にはワタシのこのへなちょこな感想以前の記事は馬鹿にされてしかるべきかも。先に謝っておきますごめんなさい。

でも公開されたら必ずスクリーンで観ます。あの風景に包まれたい。

 

「Postcard from London」ソーホーの片隅で(☜注※偽邦題です)

【前説(近況)】

まさかの展開の今年、2020年。2月末からさっさと在宅勤務になりまして、引き続きいろいろ輸入盤を観ております。通勤が無いだけで圧倒的に時間が出来ているのにさっぱり記事を書かなかった理由は主にみっつ。

①7月まで欲しい輸入盤が海外からまともに届かなかった

②これまでは家に仕事を持ち帰ることはほとんどなく、PCの前に座る=趣味の時間だったのに、今は最低8時間は仕事を(していることに)する必要があり、趣味の為にPCに向かうのが苦しくなった

③予想も出来なかった社会情勢にそれなりに心がざわついて、情報の少ない未視聴のものには触手が動かず、こってこてに宣伝されている配信作品か、精神的な安全牌と保障されている視聴済み作品を観直してばかり

というのが実際のところです。こんなはずじゃ。

視聴メモや読書メモなど趣味の書きものは細々とノートに書いたりはしていたものの。

 

とはいえ徐々に今の気分に合わせた方法を模索しながら、英Amazonから届いたり、感染対策にそれなりに気を付けて会った知人から借りたりした未公開作品を視聴&消化出来るようになってきたので、視聴順ではなく書けるところから少しずつ再開します。

 

【本題】

2018年作品をお借りしました。

Postcard from London」

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主演は「The Kingsman」(邦題「キングスマン:ファーストエージェント」)に抜擢された、ハリス・ディキンソンくん。クィアフィルムやインディペンデントフィルムへの参加も意欲的で、本作以外にも日本のNetflixにも彼主演の「Beach Rats」(邦題「ブルックリンの片隅で」)がありますね。

 

視聴前情報はDVDのパッケージ裏のみ。

本作はまるで舞台を見るように、いくつかの密室でだけ展開します。そこがロンドンのソーホーの特に猥雑な路地裏で(オールドコンプトン通りとか?)あることは説明されますが、街を歩くシーンはなく、いつの時代の物語かは分かりません。特にファッションからそれが察せられないのが巧い。モッズもバイカーもロカビリーもチャブも混ぜられた世界。エロチラシが貼られた電話ボックスもあるけれど携帯はスマホ。でもそれがとってもロンドンぽいな、と。

そんな中にエセックスからひとり、ほぼノープランで上京したジムことハリスくん。そんな可愛いのに行くところがないからって路上に寝るなよ、と思ったら劇中でもそう言われてました。そしてその可愛いさから画期的な仕事につき、思わぬ才能が開花する...というストーリーです。

少年み溢れる薄い肌にちょっと味付けがぼんやりしているけど童顔ハンサム、そして引き締まってやたらに良いカラダのハリスくん。そのあまりに正しい起用と、監督・脚本が同じ方なのでいちシーンごとに詰め込まれた「俺の推しが可愛いんだ観てくれぇっ(叫)」という熱い叫びも受け取り感嘆してるうちに80分ちょっとはすぐ過ぎてしまいました。

 

本作、てっきりハリスくんへのあて書き作かと思ったのですが、「Postcard from America」という同じ監督の作品の続き(フォローアップ)とのこと。しかも実話ベース。え...ど、どのあたりが??

作品詳細はIMDbより英語Wikiの方が詳しかったのでご興味あればご参考まで。

en.wikipedia.org

主要な登場人物のひとり、ディビッドがジョナ・ハウアー・キングくんだったのも観てびっくり。彼も実写版「リトルマーメイド」の王子様に抜擢されているのでブレイク前って感じでしょうか?ワタシの中では”ジョシュ・オコナー氏の彼女の弟”どまりで、本作で初めてお芝居しているところを観たかも~。なんかごめん~。

 

ハリスくんは「Gods Own Counry(ゴッズ・オウン・カントリー)」の主人公候補のひとりだったらしいのですが、今となっては「分からなくはないけど、ちょっと違う」とは思います。ナイーヴさの形が違う。

本作はジムのナイーヴさ、がキーなのですが、そこが巧かった。

 

あ、Beach Rats観た方はお気づきかと思いますが(?)、ハリスくんは「見せない」契約になっているんだろうなぁ、と確信したので付け加えておきます(要らない)。

全編、出来る範囲で頑張ってました。

Straight playing Gay – Alexander Collas

 

「Center of My World(僕の世界の中心は/Die Mitte der Welt)」:僕は僕だから

2016年のドイツ映画「Die Mitte der Welt」です。2017年のレインボー・リール東京で「僕の世界の中心は」という直訳タイトルで上映されていたそうですが、今頃すみません。英ポンドが急落した夜にUK PAL版(英字幕)を購入しました。

「Center of My World」の画像検索結果 

ヒットした原作小説があり、その映画化のようですが、この作品もこのブログに頻出する「Coming-of-Age」ものです。もうパッケージにそう書いてしまってあるしw

 

あらすじ(ネタバレなし)--------------

フィルは双子の妹ダイアンとママのグラスの3人暮らし。自分の父親が誰かは知らない。奔放なママはまた新しいボーイフレンドを作っている。

親友のキットとは一見恋人同士みたいだけれど、フィルが自分がゲイだと自覚しているし、周りも理解している。

そんなフィルの前にニコラスという魅力的な転校生が登場する。すぐにふたりは仲良くなるが・・・

「Center of My World」の画像検索結果

--------------ここから先はネタバレ感想です※spoiler alert※

 

主人公の世界を変容されるのはまたも転校生。いちばんの仲良しは女の子。この時点で「彼の見つめる先に」を思い出しますね。

「僕の世界」を変えるためには必ずしも闖入者は必須でないはずですが、閉じた主役が内省に終始する物語より闖入者がかき回してゆく方が当然展開は早く、ドラマティックになるわけで・・・それは致し方なし。自転車、川遊び、アイスクリーム...既視感あるけどこれが欧州王道の夏休み、そして青春なのねー

「Center of My World」の画像検索結果

「Center of My World」の画像検索結果

転校生は魅力的且つ飄々としているのがセオリーですかね。

この転校生ニコラスがセクシーでド直球にぐいぐい迫ってくるのでフィルはそこに飲み込まれていくのですが、今作は2016年製作にしては登場人物が皆とてもオープン。フィルはデートに誘われて興奮して眠れない!明日は行けるとこまで行っちゃって良いの?とかママに明け透けに相談するし、同性婚している叔母さんとそのパートナーも協力的、ママの最新ボーイフレンドもフィルを否定したりしない。

でも恋はあくまでフィルとニコラスの二者間にあるもので、周りがフィルのセクシャリティを全肯定していることと恋の成就は残念ながら結びつかない。

サイドストーリーのひとつは進歩的で奔放なママのこれまでとこれからの人生。ママだけは兄妹の父親が誰なのかの当たりをつけているけれど、そこに戻るつもりもふたりに教えるつもりもない。その代わりにこれまでのボーイフレンドには当たり前のようにふたりへの父親ポジションも担わせてきた。

もうひとつは双子の妹ダイアンとの間に芽生えた距離。分身のように育ってきたのに、毎夜部屋を抜け出している彼女とは会話も無い。特にママとの確執が深まっているのは何故なのか。自分のことに忙しいフィルだったから、事態を把握しきれない。

このふたつはやがて絡み合っていることが分かるのだけど、分かったところで過去は取り戻せない。フィルが彼女たちに出来ることは何なのか?

 

この辺りのエピソードの書き込み方が無暗にミステリー風に勿体付けてたのとか、ニコラスのキャラとか、フィルの初恋の思い出とか、思わせぶりに映る嵐の跡とか、ちょいちょいいろんな伏線を出したり、かと思えばそのくせ投げっぱなしで回収しなかったり、映画の軸が弱くなってた感はどうにも否めないのですが、原作が周知されてると、映像化の時に出来る限りエピソードを全部書き込みたくなるのかも?ワタシ的にはちょっとフィルの世界の中心探しより物語の中心探しになってしまった。原作は原作で、映画は映画で大胆に料理して良いのでは?面白ければ別物でも良いです(個人の感想です)。

とはいえ、気弱でウロウロしていたフィルが恋とその喪失をきっかけにキッパリ前を向いて進むラストはとても好ましかった。

 

 

おまけ

相手がチートでさっくり失恋した時のあの「ものすごく損した感じ」の「損」は何に対して芽生えるんでしょうね?信頼した自分の気持ち?共有した時間?(尚この考察にはお金は含まないものとする)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別篇:フランシス・リー監督による「God's Own Country」 ツイッター実況

タッチ&ゴーのような短時間滞在の出張先で朝ごはんを食べていたらツイッターに激震が!

UKの11月11日夜11時から「God's Own Country」がまさかの地上波Film4で放映されることは知っていて(いいなぁ...)と垂涎だったわけですが、フランシス・リー監督がまさかのツイッター実況を!?ええええっ今すぐ家に帰って同時再生したいぃぃぃぃっ!

でもそれは叶わずお仕事でしたので、せめてものまとめを。

そう、これは待ち望んでいた監督コメンタリー

オーディオコメンタリーではなくテキストコメンタリーですね。

ひたすらツイを順に貼り付けていきますが、誰かが登場すると監督がその役者名を叫んでますので、それをトリガーというかチャプタ代わりにすればおよその場面がわかります。テキストで貼るので拙訳はいたしません。フォントの強弱でのハイライトや注釈の差し込みもいたしません。

注)付けていてくれたハッシュタグ #gocwithme は省略しています。

むふっなんてかわいいタグ。

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1) Ok here we go. God’s Own Country at Film4 starting soon. You can follow the thread here

 

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from Twitter

2) Thank you for joining me late on a Monday night

3) Prepare for terrible spelling and grammar

4) I haven’t seen God’s Own Country for a few years so a bit nervous to see it

5) Not sure I’d class it as ‘explicit and offensive’...

6) The farm is in Keighley, West Yorkshire but no longer exists. John the farmer had to sell it. It’s now 2 lovely posh houses

7) Keep an ear out for the sound design - especially the very specific use of bird song and winds...

8) Josh O Connor!!!

9) Josh is wonderful man and actor. He literally transformed himself both physically and emotionally to play Johnny. I think it is one of cinemas truly extra ordinary performance

10) top secret: the bathroom was in another farm up the road. They were pretty much the only scenes we shot out of sequence

11) Ah Gemma Jones! So brilliant at capturing dour care

12) Josh loved that quad bike

13) This was one of my religious references. The film is kind of full of them. Shout if you spot them

14) The barn where we filmed was totally inaccessible. Everything had to be had carried and took an hour each way

15) Both Josh and Alec learned how to do everything on the film for real. They both worked on farms for weeks

16) Josh was so good at this internal exam of the heifer...

17) It was important for me to show Johnny had tenderness and care despite being very closed off. His care for his animals was so tender

18) I cast Josh and then realised he didn’t have a driving license! He could drive but only on private or closed roads

19) love this scene at the cattle market. It was in Otley where my Dad goes. All the people there are real farmers from the area

20) Harry Lister Smith plays the trainee auctioneer. He’s a very good actor

21) That’s the cattle truck my Dad uses to take beasts to market!

22) Poor Johnny. He can’t connect emotionally. I think he’d have had fun with the trainee auctioneer on a night out

23) Ian Hart is not only an incredible actor but a beautiful man. He did so much extensive research into people who have strokes. He maintained Martin’s disability even when not on camera

24) I think Johnny just wants his Dad to love him

25) It’s tea time. Nan always makes sure there’s hot food. She’s a good provider

26) love how Johnny eats. Quickly without tasting or enjoying. Very much like he has sex

27) That’s Keighley station. My local railway station

28) Alec Secareanu!!!

29) There’s Gheorghe! Alec is a wonderful man and an incredible actor. He brought everything to Gheorghe

30) I remember in the script I described Gheorghe as ‘a tree in November’. Alec totally understood what that meant.

31) Alec and I decided Gheorghe came to England from Romania with a lover but then it ended. We felt the text was from them.

32) The caravan was a midden

33) The relationship between Martin and Nan remind me of so many in my own family.

34) Johnny feels like a lost boy here. My heart.

35) Gheorghe changes the environment. He’s a hone maker and brings the light. It’s the first scene where we hear the Gheorghe ‘wind’

36) This pub is the Kings Arms in Haworth. I chose it for the windows outside so we could see Johnny at the bar from outside

37) Patsy Ferran!!!!

38) Robyn is so sweet. It was important she remembered Johnny when he was more care free and that she knew he was gay.

39) Johnny you knob. You could have fun in the pub! Robyn wants to be your friend!

40) In rehearsals, Josh wanted to see what it would be like to work all day, get very drunk at the pub and then work all day the next day. So he tried it. He was a bit tired...

41) Real lamb birthing by Alec. He cried after the lamb was delivered

42) Mmm. Hens eating their own eggs...

43) There’s a lot of dialogue in this scene. We cut a lot. Chris Wyatt my wonderful friend and editor, was brilliant at reducing the dialogue. Chris is someone I always want to work with

44) Gheorghe is addicted to sugar

45) Gheorghe looking thro the window is one of my favourite frames

46) Adverts?!? I don’t remember putting these in...

47) Every film I’ve ever made features a magpie including the one I’m making now

48) Those two boys on the quad! I love at this stage Gheorghe doesn’t want to touch Johnny

49) They burn the heather on the moors to encourage new growth for grouse. It was something I’d grown up with. I loved the idea of the lads passing from one world to another.

50) Here we are. Top Fell (which became known as Top Hell during the shoot)

51) It’ll be a runt’ but Gheorghe won’t give up on the little lamb! Get it?

52) Josh would eat the pot noddles before they were soften. All you could hear was crunching

53) Tense in the barn. Loved those wind sounds slowly building tension

54) A certain homage

55) Johnny isn’t used to someone with boundaries

56) Martin (my Dads friend) is a farmer and was the person who dealt with all the animals. He was a mastermind with sheep.

57) There’s a curlew...

58) Josh and Alec became very good dry stone walkers. Lots of practice

59) Gheorghe’s jumper is actually 100% acrylic

60) We shot this roll in the mud scene only twice. I love the wide shot of Keighley in the background

61) Johnny can’t kiss. It’s too much

62) I love Josh’s hands. They are like meat plates

63) No words necessary

64) And another curlew... Harbinger of spring and hope

65) Gheorghe has such understanding. This is so new for Johnny. It’s hard for him to deal with.

66) I always saw this as a turning point. Johnny teaching towards Gheorghe, wanting more...

67) All of these night scenes were lit by real flames

68) I had always grown up knowing about how you can adopt lambs with the pelt of a dead lamb. It was the perfect embodiment for this relationship for me

69) My Dad taught Alec how to skin the lamb. He did it in one take

70) The first Johnny smile!!!!

71) The freak/faggot line comes directly from my own life

72) This is such an intimate scene. The way you see Johnny change and discover touch, caress, kissing is utterly transformative for him. Again shot in two takes and it was freezing. The sound plays such an importance with the tension and release here

73) Johnny picks that scab. A wound that hasn’t healed. But maybe Gheorghe can help...

74) I think everyone was relieved Top Hell was nearly over...

75) It was actually snowing when we shot this scene. This is Josh sheltering in an actors warm coat

 

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from Twitter

76) I’m allergic to score in film but it felt right here. The geese are a homage

77) I love how things have changed now for Johnny and Gheorghe is a support to him

78) Josh and Alec became so good with the sheep.

79) Josh loved filming this scene. He was the lightness if it which I think was a release after things being so bottled up and tense

80) Josh and Alec are both 6’ 2” tall. I always felt very short next to them

81) The way Gheorghe understands Johnny and can pull him out of his funk always breaks my heart

82) Nan knows!!!

83) Martin knows!!!

84) Josh loved that bike

85) Filmed the swimming at Teacup Dam. They spent 10 seconds in that water. It was freezing

86) The warning call of a tit...

87) Martins collapse felt utter in dramatic and yet utterly devastating

88) All filmed at my local hospital Airedale. Johnny looks terrified

89) I found shooting these scenes very tough. I had to take breaks to cry in private

90) Joy the canteen cleaning lady is my an actor called Sarah White who is my best friend in real life. Look out for her in Ammonite...

91) Gheorghe touches Johnny’s finger and then Johnny touches Martin’s finger. It’s all about learning

92) Always about the farm. They have to be practical

93) The pasta scene! Fuck this breaks my heart

94) These lads can act

95) Gheorghe introduces Johnny to taste

96) I haven’t mentioned Joshua James Richards the DP. He is an incredible artist

97) Johnny’s smoke in the bath!

98) Swallows mate for life

99) The bed scene. The intimacy. The humour

100) Gheorghe making cheese. Alec learned how to make sheep cheese. It was excellent. On the dvd there’s an extra scene of the lads eating it

101) Gemma was terrified of driving the Land Rover but she felt the fear

102) I know you shouldn’t flush condoms! Very bad

103) Gemma did the Nan breakdown at the ironing board in one take. It was heartbreaking

104) My Gran said break-fast

105) Nan wants Johnny to be happy. She likes Gheorghe

106) This was the hardest scen to edit. It had a lot more dialogue. Again Chris was a great guiding light

107) Again. Gheorghe has boundaries but he brings hope. If only Johnny could see it

108) John Mcrea!!! You might recognise him from Jamie the musical

109) The first ‘red’ colour appears in the toilet. On the condom machine. Danger Johnny!

110) I really loved country and western in the pub 

111) Johnny! You fuck wit!!!

112) After Alec filmed this scene he had a week off. I sent him to London for a holiday. Josh really missed him and didn’t see him until they were filming the last scenes together.

113) Martin still can’t give up

114) Swallows again

115) Johnny doesn’t drink. Something has definitely changed

116) Johnny finds the jumper in the caravan. When I asked Josh to attack the caravan nothing moved. It was so sturdy

117) Josh actually got sick after putting on the jumper scene and we had to stop filming for 10 days until he was better

118) I need a drink!

119) Thank you for spending the night with me. It’s late but we are in the home stretch...

120) Johnny bathing Martin. This was taken from personal experience. The connection between Johnny and Martin is incredible for me

121) Johnny is taking responsibility. He’s trying. But I’m not sure he can do it on his own...

122) The shot of Johnny in the bath was an incredible piece of art by Joshua James Richards

123) This Martin/Johnny scene includes two lines I wanted to cut. Probably the only compromise I made on the film

124) When Nan gives Johnny Gheorghe’s address is the most unconditional love I know

125) I felt the score really helped to get into Johnny’s head here. It’s by Winged Victory For The Sullen

126) He is so lost and alone but is pressing on to find Gheorghe

127) And there’s red again...

128) Swallows...

129) These two Bulgarian actors were wonderful

130) This was the first time Josh and Alec saw each other in over a week. They were excited

131) Ok so at this point, even though it’s my film, I always start to cry

132) ‘I don’t want to be a fuck up any more’

133) Patrick Wolf’s The Days destroyed me the first time my ex boyfriend sent it me. And it still does

134) The lady behind Josh on the coach is Bean Ellis the make up designer

135) I wanted the last shot of the film to have no edit. I love it when they slam the door as if to say ‘let us get on with it now’

136) The archive footage was written into the script

137) Thank you for listening and supporting this film. I have loved watching it and sharing. Josh and Alec are and will remain my best friends for life. I hope we all find our peace. Much love

「Baptiste」使い捨ての悲哀

BBC Oneで放映されたドラマ「Bapiste」全6話についてのエントリーです。

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予約購入で2枚組UK PAL£12.49、送料は£3.58でした。

そもそもこのシリーズは英BBCと米Startzが合作した人気ドラマ「The Missing」の人気キャラ、ジュリアン・バプティスのスピンオフです。

以下のタイトルで日本でもWOWOWで放映されたそうですね。

「ザ・ミッシング~消えた少年」(2014年 全16話)

「ザ・ミッシング~囚われた少女」(2016年 全8話)

・・・って実は「The Missing」の本編を全く観ておりません。にも拘わらず、スピンオフだけ観てしまったというThe Missingファンの方には申し訳ないのですが、図々しくも大胆でよこしまなエントリーです。

故に主人公とその家族以外の出演者が過去作に出ているかは知らないので、新鮮な感じで書いちゃいますよ(キッパリ潔く)

どうしてよこしまなのかといえば、いや、チェッキー・カリョも好きですよ。リュック・ベッソンの「ニキータ」は劇場で観ていますもん・・・でも円盤取り寄せたのはズバリ、アレック・セカレアヌさん観たさからでした。

最初に観たコンスタンティンさんのスチルのこの不穏さ。ゲオルゲ風味ゼロ。あとこのベスト何?(すぐ分かってしまった)

あらすじはこちらです(丸投げ)※下から読みましょう

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ちょっと書きますと・・・

ジュリアン(チェッキー・カリョ)は警察を定年引退して探偵を名乗っている。旧知のアムステルダム警察マーサ(バーバラ・サラファン)に呼び出されてエドワード(トム・ホランダー)という男に会うことに。エドワードはアントワープから来たイギリス人で「姪」のナタリーを探しているのだという。

一見秩序の中にあるようなアムスの夜は、その実攫われた少女たちが飾り窓で働き、逃げることも出来ずルーマニアンマフィアの資金源になっていた。

冷徹な殺し屋であるコンスタンティン(アレック・セカレアヌ)を始めとするマフィア達に追われる中でエドワードが探しているのは本当に彼の姪なのか?ジュリアンを邪魔する奴は誰なのか?マーサとジュリアンの過去は?

 

複数の謎解きを交錯させながら、このスピンオフ6話だけでもジュリアンの過去とキャラクターが浮かび上がる構造になっていて、引き込まれました。

 

で、コンスタンティンさんですが、この役にアレックというのがなんというか豪華というか、かつての「火曜サスペンス劇場」や「土曜ワイド劇場」におけるヒロイン以外の美人女優枠というか・・・いちいち、やだ素敵☆なんですよ・・・それはもう恐ろしく非情なプロの殺し屋なんですが。見た目の良さをきっちり武器にしていて、必要に応じて愛想よく振舞ったり凄んだり、にその美貌を活用しているのです。

冷たい瞳のコンスタンティンさんを(これはト書きに書いてあるんだろうか『その綺麗な顔で』とか・・・)と思いながら観ておりました。

コンスタンティンさんの息抜きはお食事のようで、にこにこモグモグシーンが何度か出てきます。癒し。でも怖い。食事中でも殺気は全部仕舞わない。

一番好きなのはハーグから来たメタル娘、ユーロ警察のジェネヴィーヴ(ジェシカ・ライン)を車の中で静かに、でも強力に脅すシーンですかね。密室の美人さん対決。

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「顔小さい!小さすぎ!」とか言いながら観ていました。

 

何故本作でコンスタンティンさんが美人である必要があるのか?というワタシの問いに知人曰く

「中央・東欧移民の役はたぶん過当競争なので、オーディションを勝ち抜いたらそれは当然ハンサムになる」

とのことですがこれが真理でしょうか。

 

 

この物語の終わり方はとても”ドラマティック”です。誰も得をしない。何故ならばジュリアン自身も含め善悪の全員、死んだ者も生き残った者も皆その全貌が掴めないままの誰かのただの捨て駒だったから。

 

シリーズに通底する多国間の「誘拐」に関しては引き続き(現実問題同様に)解決されていないので、まだシリーズとして続くかもしれませんね。